2011/03/29

3月29日(火)~地震から19日経過~

あと二日でカレンダーが一枚めくられ、新しい月を迎えます。
新年度は今までとは全く違う気持ちで臨むことになりそうですが、
少しずつ、小さな足音で私たちは春に向かっています。

週末、ラジオで山元町のりんごの木がしっかり立ってます!というリポートを聴きました。
お隣岩手県陸前高田市の海岸線に立つ松は1本だけが残り、被災された皆さんを
まるで大きく包み込むかのような存在に感じられました。
南三陸町に電柱が立ち始めたニュースも明るい気持ちにさせてくれました。

一方、間もなく入荷か?と報じられるも、なかなか解消されないのがガソリンや灯油の不足。
相変わらずガソリンスタンドは渋滞を招くほどの長い列です。
28日現在、宮城県ではタンクローリーが足りずガソリン不足がしばらく続く可能性があるとのこと。
きのう見かけた郵便局員さんは自転車で配達していました。

このような事態から、私の生活も今までのように車で移動というわけにはいきません。
パンクしたまま半年も放置していた自転車がここで活用されることになろうとは
想像すらしていませんでした。空気を入れに行ったのは震災から7日目。
「大地震から二日で自転車は完売。でもこの道40年、修理できない自転車はないから」という
オーナーの職人魂を感じ、店をあとにしました。

そんな自転車で今日向かったのが美容院。
ガスの復旧まではシャンプーとカットのみ受付、節電のため店内の電球を半分だけつけて短縮営業していました。また余震に備え、コートやバッグはロッカーではなく、足元のカゴに置くなどの工夫もされ、
ひとりひとりがやれることを精一杯やっている証だと感じました。

首都圏の計画停電には不満の声も出ていますが、被災地に住む者としては感謝の気持ちでいっぱいです。私達の東日本には送電できない関西電力管内、道頓堀の「グリコの看板」やあの「通天閣」でも
節電に努めていると知り、遠い大阪からもあたたかさが伝わってきます。

今、あるコメンテーターが発していた「しんぼうのとき」という言葉が心に響いています。
被災地に住む人たちはもちろんのこと、同じ宮城県でも生活環境の整ってきた私のような者にとっても
正にそのときなんだと思います。
小さくともひとりひとりができることを務める=努める。
日常に戻りつつあるからこそ、忘れてはいけないのだと言い聞かせています。


㈱Taizoko 営業部員